就活の忙しい時間の合間でも完成できる業界研究の方法【例:テレビ業界】 | 新卒就活.com

2017/09/22更新

就活の忙しい時間の合間でも完成できる業界研究の方法【例:テレビ業界】

就活中は、必ず業界研究を行うと思いますが、正しくできていますか。業界研究は時間がかかります。要点をおさえてやらなければ無駄にもなりかねません。そこで今回は、業界研究の入門編ということで、テレビ業界を例に挙げてご紹介します。

テレビ業界に忍び寄る影

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テレビ業界は近年、インターネットの脅威にさらされ続けています。最近ではgoogleがテレビ事業に参入すると話題になりましたが、ネットとテレビの融合が進みつつある中、テレビ自体の立ち位置が問われています。

コンテンツ自体の企画力は、まだまだインターネット業界各社の追随を許さないレベルにありますが、そもそものテレビ離れが加速している中、テレビだけで良質なコンテンツを提供していても収益の伸びない現状が生まれつつあります。

<業界の現状>
業界規模:約2.4兆円
過去5年の伸び率:-0.6%
平均年齢:43.1歳
平均勤続年数:17.0年
平均年収:994万円
(※2016年7月末現在。以上、http://gyokai-search.com/3-tv.htm)

主要な局をピックアップすると業界研究は磨かれる

各社の業績も、かなり明確に差が出ています。それでは、主要な局を業界して、比較してみましょう。

フジテレビ・NHKのES・面接を突破する業界研究マニュアル

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業界研究はどんな業界に行きたいと思っても避けて通れないものです。他の就活生と差をつけるために、大変有効で重要なものと言うことができます。

キャリアパークではテレビ業界に特化した業界研究資料を作成しました!テレビ業界の現状と、それぞれのテレビ局の繋がりなども解説しています。テレビ業界を目指しているかたはもちろん、どんな業界か見てみたい方にもぴったりの資料です。是非ダウンロードしてみてください。

テレビ業界の裏側【厳しい局】

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テレビ業界を業界研究すると、好調な局とそうではない局が良く分かるようになります。
現在のテレビ業界の実態を見てみましょう。

日本テレビ⇒厳しい現状

日本テレビは最新の決算短信で、純利益は回復しましたが、売上や営業利益は苦しい状況が続いています。本業のコンテンツ事業が減収減益となりました。放送拠点移転損失や不動産関連事業などによる特別損益の動きで、最終的に純利益が膨らんだ形です。

かつては後ろの番組を中止にしてまで延長放送するだけの価値があったドル箱・プロ野球中継なども、視聴者激減によりいまではすっかり姿を消しました。音声多重放送をはじめて導入するなど、革新的な試みを続けてきた日本テレビですが、近年は厳しい状況が続いています。

フジテレビ⇒新しい強みを打ち出せていない

フジテレビは近年、騒動続きです。少し前ですがライブドアのニッポン放送買収の騒動、近年では産經新聞の株式売買問題、元日本放送アナウンサーの社内での自殺問題、手がけた映画『海猿』原作者である佐藤秀峰さんとの騒動もありました(佐藤さん曰く「契約書なしで関連書籍を販売された」という事件です)。

そんな苦境続きのなか、会長の日枝氏は会長在職20年以上となり、独裁体制だと批判する株主も出てきています。
業績指標自体は堅調のように映りますが、要の放送事業がマイナスとなっており、苦しい状況は他社と同じです。長らく定番となっている「めざましテレビ」や「特ダネ」といった朝の報道系の番組は息が長いですが、それ以外に新しい強みを打ち出せない状況が続いています。

テレビ業界の裏側【好調な局】

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では、続いて比較的好調なテレビ局をご紹介します。

TBS⇒放送事業以外が形になりつつある

TBSは売上こそ微減でしたが、各利益は回復。各社と同様、ロンドンオリンピックやWBCをはじめとするスポーツ番組が好調となり、地上波テレビ部門が躍進。TBSは元々(特にラジオ部門における)企画力に定評があります。

息の長い人気番組と新番組がバランス良く番組表に並んでおり、そこに短期スポットセールスで収益を上げるスタイルが効果的に回っています。視聴率も時間帯首位を獲得する看板番組が多く出てきています。

ちなみに、ラジオは70期連続で聴取率調査トップという他を寄せつけない強さを誇っています。またネット領域においても、定額見放題サービスが各キャリアで好調に推移、またアニメ番組の見逃し配信サービスなどが成功し、売上を増進。放送事業以外のビジネスにおいても徐々に形を作りつつあります。

テレビ朝日⇒比較的好調

テレビ朝日も好調の局の一つです。特徴は、なんといっても独占中継権です。最近ではアジアサッカー連盟(AFC)の主催試合の地上波放送の独占権を手にしました。

またスポーツ以外にも隅田川花火大会など、各種イベント企画の独占中継権を獲得しています。また各局とコラボ企画を設けるなど「面白い企画のためならなんでもやる」といった風潮も見られます。

テレビ東京⇒視聴者との深い関係づくりに成功

テレビ東京も好調を維持しています。キー局というよりもトップクラスの地方局という位置づけにいるため、主要キー局に比べて資金力に劣るため、常に企画で勝負をしてきたため、毎年コンスタントに定番番組を打ち出しています。

特にシニア層向けの知的な番組に強く、ビジネス特集型の看板番組や『なんでも鑑定団』のようなシニア向け娯楽番組などが根強い人気を誇っています。また日中夕方のアニメ枠も小中学生にとって馴染み深い時間枠となるなど、視聴者との深い関係づくりに成功しています。

NHK⇒時代物ドラマが大当たりしうなぎ上りに好調

近年一気に注目を集めているのはNHKです。時代物ドラマが大当たりし、そこから波及するように様々なドラマや娯楽番組、幼児向け番組が大ヒット。

座っているだけで受信料収入という収益がやってくる放送局という批判の強かった同局ですが、ここ最近の番組制作力は随一といって良いでしょう。

またNHKは、放送技術関連の専門の研究所を持っていることも、他局にはない独自の強みとなっています。

ケーブルテレビも好調

またこのほかにもケーブルテレビのジュピターテレコム(KDDIの子会社となりました)や衛星放送のスカパーJSAT(スカイパーフェクトTV)などがあります。BS枠が拡大されたこともあり放送局はここ数年で一気に増えました。WOWOWなどのプレイヤーも忘れてはなりません。最近ではアニメやバラエティ(と言いますか、ほぼアニメです。最近提供されるアニメーション番組は、ほぼ確実に絡んでいます)に強みを持ち始めた毎日放送なども伸びてきています。

業界研究で忘れてはならない収益

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基本的には広告収入が収益の半分以上を占めます。ただし広告にも「ネット」「ローカル」「スポット」の3種類があります。

◆「ネット」とは全国放送の提供クレジット
◆「ローカル」とは放送エリアが限られる番組の提供クレジット
◆「スポット」とは番組同士の間に流れるCM

です(このスポット時間帯はステーションブレイクといい、スポンサーに依らない放送が可能です)。

コスト削減がテレビ離れを引き起こした

近年ではコスト削減にも注力している関係で、番組がありきたりなつくりになっているとの批判も噴出しています。かつては番組司会者に大物芸能人をガンガン起用していましたが、ここ最近ではコストを抑えるために局アナを登用したり、人気が出始めた芸人を起用して出演料が上がったら次に台頭してきた芸人に乗り換えるなど、敢えて一発屋を量産するようなスタイルになりつつあります。

企画内容自体も資金を要する企画物は軒並み消えて、トークバラエティ形式が圧倒的に増えました。それによりテレビと視聴者の間に距離が生まれ、「芸能人同士がテレビの向こうで話して楽しんでいるだけ」になり、リアリティがなくなり、視聴者離れが進んでしまいました。

協力者の運命も背負っているテレビ業界

テレビは視聴率が全てです。人気がなくなれば「打ち切り」となります。番組制作には外部スタッフ(たとえば放送作家や外部制作会社のADなど)がたくさん絡んでいます。局の社員と違い、彼や彼女は番組単位で仕事を持つので、打ち切りになれば当然、仕事を失います。そういう意味で、局の社員は自分だけではなく協力者の行く末も握ることになります。

体力や精神力が強くならないと勤まらない

また体力、精神力も要求されます。番組制作はたくさんの人が関わります。それら全ての人々と円滑に仕事を進め、また時に厳しい言葉や長丁場の撮影にも堪えられなければなりません。そして毎週放送がある番組なら、毎週が勝負ですからスピード感も要求されます。

おそらくはどの業界や職種よりもキツい仕事です。時給換算するとコンビニのバイトよりも安上がりというくらい時間がありません(元々が高給ですから、つまりはどれだけ長時間働いているか分かるかと思います)

業界研究では今後の在り方も見る必要がある

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インターネットとテレビをどう棲み分けるのか、そこが要となるでしょう。NHKが2013年9月、テレビとインターネットを本格的に融合する「NHK Hybridcast」というサービスを開始しました。テレビ番組上に最新のニュースや気象情報、為替情報などが表示されるというものです。

もともと似たような機能はありましたが、「テレビ番組内」という部分が初の試みになります。これにより、かねてから模索されてきた「通信と放送の融合」が、今後どういった形で進むのか注目です。

Googleがテレビ業界へ参入

また、ビジネスモデルについても改革を迫られるでしょう。ついにGoogleがテレビ業界に参入することを表明しました。これに合わせて、同社提供のブラウザ「Chrome」をテレビ画面に映し出せたり、動画サービスをテレビ画面で視聴できるようにする端末「Chromecast」がリリースされます。

ドコモなどがすでに同様の試みを始めていますが、圧倒的・創造的なサービス開発力を持つGoogleが参入するということで、各局は気が気ではないでしょう。

生活の質が向上がテレビ離れに関係

そもそもネット事業者がこうした参入を目指すのは、ビジネスモデルの問題があります。NHKによれば、(特に若者の)テレビ離れが深刻になっています。2010年には調査対象全体の11%の人がテレビを見ないと回答しており、またニワンゴによれば、20代は約25%、30代でも約22%の人がテレビを「まったく視ていない」と回答しています。

その理由として「生活の質が向上した」(読書や自主学習に費やす時間が増えた等)、「無駄にする時間がなくなった」(仕事が忙しくなった、家事をするようになった等)などが挙げられています。

Googleが進出していなかったのはテレビだけ

Googleによれば、PC、携帯、タブレット、テレビの4つのスクリーンでメディアに接する時間の9割が占められているのが現代のようです。つまり、Googleがこれまで手をつけていなかったのテレビというわけです。

よって、このテレビを囲いこめれば、人々がメディアに触れているあらゆる時間を通して、自社の媒体に触れてもらい、広告を見てもらうことができるようになるわけです。この考え方は「エコシステム」と呼ばれています。

テレビ業界も変革の時を迎えている

従来、テレビ番組だけを提供していたテレビですが、今後はネットコンテンツも配信するとなった場合、テレビそのものの位置づけが変わってくることになります。そのときテレビ業界が「テレビ番組以外」のコンテンツを制作する力があるのか、そこが焦点となってくるでしょう。

テレビの業界研究は局ごとに見ると特色や課題が見えてくる

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以上、今回は、業界研究入門としてテレビ業界について解説いたしました。各局によって、公調・不調が分かれています。それは、時代のニーズに答えられているかが明暗を分けました。

テレビ業界は、これからなにか策を講じなければテレビ離れがより深刻化します。この問題にどう向き合えるのかが内定獲得の焦点かもしれません。